ラピュタの島と海洋ゴミ
こんにちは。
皆さんは和歌山県にラピュタに出てきそうな島があるって知っていますか?
名前は「友ヶ島」。
http://www.wakayamakanko.com/sightseeing/nature2.htmlより
本当にラピュタの城に出てきそうな風景ですね。
私も行ってみたいのですが、今はちょっと難しいですね。
船乗りの方なら「あれ?」と思われるかもしれません。
そう、太平洋から大阪湾に入るためには友ヶ島水道という水道を通る必要があるのですが、その名前の元になっている島が「友ヶ島」です。
かくいう私も少しばかり縁があってこの水道を通ったことがあるんです。
・・・まぁ日が落ちていたので何も見えかったんですけどね。
実際は友ヶ島は地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の総名称のことでして、その内沖ノ島には明治時代に要塞が建てられていたのです。
そのため、地図に載っていない時期すらあったのですが、ネット上でジブリ映画「天空の城ラピュタ」の舞台に似ていると話題になり、観光人気が高まったのです。
ですが、そんな友ヶ島の人気に待ったをかけるものがいました。
友ヶ島は海洋ゴミのダム
そう、大阪湾へと続く水路の真ん中に位置しているため、海を漂流している海洋ゴミの多くが引っかかっているのです。
清掃活動を行ったところ、何と150Kgを超える量のゴミを回収したそうです。
しかも、いくらやっても直ぐにゴミだらけになってしまい地元の人たちも頭を抱えているそうです。
そのゴミの殆どが都市部から排出されたものだそうです。
大阪湾の潮流が時計回りのため都市部のゴミを島の北側に打ち上げているのです。
でも、外国のゴミが漂着したんじゃないの? と思われる方もいるかもしれません。
ゴミ分布の調査報告書
実際、中国や韓国からのゴミが多く漂着している地域もあります。
しかし、それには地域差が存在します。
平成21年のデータですが、大阪府港湾局の報告書がありました。
また、環境省からも最新のデータが見れます。
http://www.env.go.jp/press/files/jp/108078.pdfより
見ての通り、地域によってゴミ密度の国籍にも違いがあることが分かります。
まぁ、平成21年の大阪港湾の報告書と環境省調査書のゴミの違いには量以上に国籍の違いが大きいのですが、今回は関係ないので無視です。
私たちに出来ること
では、私たちはこの事実に対して、どう反応すればよいのでしょう?
外国がゴミ出してるのに日本が我慢すればいいのか?
ゴミを出さないようにすればいいのか?
ボランティアの人が回収してくれるからいいのか?
企業がゴミを減らす努力をするべきじゃないのか?
行政がなんとかしてくれるからいいのか?
様々な意見が生まれるでしょう。
海洋ゴミの問題は世界規模で起こっています。
度々、動物がプラスチックを食べて窒息死するニュースを見たり、マイクロプラスチックが云々という話を聞きますが、そのどれもがスクリーンの向こう側にある出来事のように感じられていないでしょうか?
人は身近な問題にこそ興味を持って取り組むことができますが、その規模が大きくなると途端に自分のことではないかのように感じてしまいます。
私も海洋ゴミの問題を一人で騒いだところでどうにかなるとは露ほども思っていません。
ですので、私も細かいことは言えません。
ただ、私が言いたいのは「自分で出したゴミの後始末ぐらいは出来る大人になろう」ということです。
少なくとも大阪近辺でのゴミのポイ捨てが減るだけで友ヶ島に流れ着くゴミは減らすことができます。
周りを海に囲まれて魚を常食とする日本人だからこそ、海洋汚染の話題には敏感になっていきたいと私は思っています。