投資に使えるファンダメンタル分析へ役立つ地政学の本おすすめ5選
地政学って何ですか?
投資に役立つってどういう意味ですか?
地政学は地理と政治学が合体した学問
投資の世界では「地政学的リスク」
として常識の考えです
地政学と投資の世界は密接に関わっています。
グローバルな経済が基本の現代社会では、「ある地域」の悪影響が「世界」に波及することが常識です。
その影響の度合いは「地政学的リスク」によってある程度予想することが出来ます。
今回は乱読家の私が投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学の本のおすすめを5選に絞って紹介します。
投資と地政学の関係性
私が目指す国際協力の世界では投資と地政学は密接な関りがあることが常識です。
何故なら、日本の政府開発援助(ODA)のほとんどは円借款、つまりは開発途上国に対する投資活動だからです。
投資を発展途上国へ行う以上、日本は回収の見込みがない国へはリスクのある投資をしません。
国はどのような判断基準でどこの国へ投資を行うかを決めなくてはいけません。その投資の判断基準となるのが「地政学的リスク」です。
個人投資の世界で「地政学的リスク」について考えるならば、ヨーロッパ諸国が良い例です。
例えば、スペイン経済をけん引してきたカタルーニャ州の独立運動はスペイン経済の後退を招きかねない大きな問題でした。
イギリスでは北アイルランドとイギリス本国との対立が続きます。さらにはブレクジットによって、EUからの離脱が決まりました。
こうした政治的な問題は経済に大きな影響を与え、投資にも影響が大きいです。
しかし、FXなどの投資で重視されるテクニカル分析では政治的影響を読み取ることが大変難しため、必然的に投資家たちは国際政治にも詳しくなる必要があります。
こうした「地政学的リスク」等の世界の流れを読み取ることを投資の世界では「ファンダメンタル分析」と呼びます。
投資をすることは地政学を学び、世界の在り方に敏感になることが必要というわけです。
投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学本おすすめ①
「新版 もういちど読む 山川地理」は世界の地理を学びなおせる本で、地政学の入門書としておすすめです。
最新のデータに更新&追加コラムで内容充実!現代の世界動向を盛り込んだ新版
「新版 もういちど読む 山川地理」内容紹介より
地政学を学ぶ上でまず最初に必要なのは地理の知識です。
あらゆる国のデータを簡単に把握しておくことは地政学を知るうえで理解の助けになります。国と国との関係を知るうえで、経済や気候、地域ごとの特色を知っていることが重要です。
本書は世界の地理を過不足なく網羅しているため、地政学を学び始める前に読むことをおすすめします。
地域別、産業別、季節別の統計データを用いて世界の地理を紹介しているため、教科書のような語り口調で書かれています。
教養本にありがちな雑学や脇道に逸れるトピックも抑えられていて、世界の地理のデータを少ないページ数で網羅しています。
地理について知りたい人が読むべき本としてもおすすめできます。
投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学本おすすめ②
著:パスカル・ボニファスの「現代地政学 国際関係地図」は地政学を視覚的に分かりやすく描いた本としておすすめです。
巨大企業は世界を支配しうるか?移民問題はコントロールできるか?中国は世界の主導権を握れるか?最高峰の知性が読み解く世界情勢の現在と未来。
「現代地政学 国際関係地図」内容紹介より
本書は世界地図と統計データの解説文をフルカラーのイラストが見開きで書かれている地政学の本です。
見開きごとに地政学の1トピックが書かれており、まるでパワーポイントで作られたプレゼンテーションの見ているような気分で世界を俯瞰できます。
解説文は簡潔明瞭に、図解で示すというスタイルは300ページ近くある本書で徹底されており、多様なトピックを取り上げています。
本のサイズが子ども向け百科事典ぐらいの大きさのため、1ページ当たりの情報量が多いわりに見やすくかあkれ手いるところもお勧めできる点です。
他の地政学の本と併用しながら、情報検索用として傍に置くこともできるおすすめの本です。
投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学本おすすめ③
「松崎美子のロンドンFX 金融の聖地で30年暮らしてわかった日本人が知らない為替の真実 ユーロ&ポンド徹底攻略」はFX投資のファンダメンタル分析の解説本としておすすめされることが多いです。
しかし、本書は投資を行う上で地政学的な動きと投資市場のリンクが分かる本としておすすめできる1冊です。
欧州市場でこそ最大収益を狙える!著者渾身の精緻なファンダ分析で欧州マーケットのすべてがわかる!ファンダメンタルズの大波に乗って大きく稼ぐ。ユーロ&ポンド徹底攻略。円とテクニカルに頼らない松崎流FX勝ちの秘訣!
「松崎美子のロンドンFX 金融の聖地で30年暮らしてわかった日本人が知らない為替の真実 ユーロ&ポンド徹底攻略」内容紹介より
本書はFX投資の本ですが、テクニカルな方法論は少なく、EU市場が「イベント」によってどう変化するのかを分析した本です。
財政政策や選挙、国債などのイベントがいかに市場へ反映されるかを分析しており、論理的な記述でファンダメンタル分析へ役立つ知見を描いています。
よくある投資のハウツー本とは違って、「方法論」や「テクニック」を紹介する形でなく、「どう地政学的考え方」を「投資」へ反映するかを日記調で紹介している様が特徴的な本です。
地政学の専門家ではない筆者がどのように投資と地政学、政治を結び付けているかが分かる本としておすすめです。
投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学本おすすめ④
著:塚口直史「情報を「お金」に換える シミュレーション思考」は投資と地政学を結び付けた考え方を教えてくれる本としておすすめです。
リーマン・ショック、ギリシャ・ショック…他の投資家が軒並みマイナスとなるなか、常に20%以上のリターンを出し続ける人の考え方。プロの投資家は「地政学」と「歴史」でお金を稼ぐ。未来を予測する「シミュレーション思考」で過酷な現実すら味方にする!
「情報を「お金」に換える シミュレーション思考」内容紹介より
2016年発刊の本書は著者が仕事上で行っている「シミュレーション思考」について解説した本です。
リーマンショック以降、投資の資産配分は長期的に保持することから時々に合わせた資産配分へ変更する投資法へと変化が起こっていると著者は語ります。
「未来をシミュレートする思考」を生み出すためには、「地政学」と「貨幣」、「世界の情勢」についての深い理解が必要するべし、と著者は本書を含めた自著ですすめています。
思考法の紹介、と謳っていることもあり、地政学についての専門的知識は抑えられており、手に取りやすい本となっています。
専門書籍というよりもビジネス書に近い論調の為、投資や地政学の知識があまりないと考える人におすすめの本です。
投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学本おすすめ⑤
著:倉都 康行「地政学リスク」は投資における現代の地政学的リスクを5つの類型に分類し、まとめた本としておすすめできます。
原油・為替・株価を動かすリスクを5類型化。宗教対立、民族意識、イデオロギー闘争、民主化運動、環境破壊。投資家と経営者の視界を晴らす世界鳥瞰図。
「地政学リスク」内容紹介より
投資と地政学を結び付けるうえで、最も重要なのは「どれが地政学的リスクなのか」を見極めることです。
本書の1章では原油にまつわる地政学リスクについて取り扱い、2章では地政学と市場経済の解説に割かれている。
地政学の考え方を簡単におさらいしながら、世界の地政学的リスクを構造的に解説するスタイルは分かりやすいです。
2016年の出版でありながら、トランプ大統領とヒラリー・クリントンが大統領選で接戦になると書かれていたり、と今(2020年)になって思うと驚きの内容です。
本書は全5章250ページ程度の軽いビジネス書としても、投資と地政学を知れる教養本としても読める本としておすすめです。
投資に使えるファンダメンタル分析に役立つ地政学本おすすめ5選まとめ
一般的な投資の本ではテクニカルな方法論が重視されますが、投資を続けていくためにはファンダメンタル分析を始めとした長期的な視野を持つことが必要とされます。
地政学を学ぶことは世界の流れを知る助けになります。世界の流れが分かってくれば、投資の未来予想図を作るもできるようになります。私たちに必要なのは「考え方」と「知識」だったのです。
今回紹介した本はどれも読みやすく、入手しやすい本ばかりですが、紙の本ではどうしてもかさばるため、電子書籍での購入をおすすめします。
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