あなたのリーダーシップがボランティアでバレるたった1つの理由

2020年5月5日自己成長

リーダーシップが有無はボランティア活動の運営能力を見れば、簡単に分かります。

そんなバカな……と思われるかもしれません。

しかし、ボランティア活動でリーダーを務めることは、企業でリーダーを務めること以上に大変です。

ワル鳥

ボランティアの運営はとても難しいです。メンバーをまとめるのはもっと難しいです

私がこれまでに行ったボランティア経験と偉大なる先達方の経験をシェアできれば、幸いです。

本記事の内容

  • ボランティアと企業活動の違いは「利益」にある
  • リーダーシップがボランティア活動でバレる理由は「目的」にある
  • リーダーシップをボランティアで発揮させる手法「ファシリテーション」のスキルを4つ解説
  • リーダーシップをボランティア活動で成長させる書籍5選

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【リーダーシップ】ボランティアと企業活動の違い

ボランティア活動と企業活動は根本的に違います。

両者の違いは「営利目的」の有無によります。

ボランティアと企業-different

企業は利益を目的とした活動を行いますが、ボランティア活動は利益を目的としていません。

また、ボランティアは企業活動とは考え方が多々違います。

ボランティアの解説

  • 営利目的ではない(しかし、経費や活動費を得ることを否定してはいない)
  • 自発的な活動(辞めたくなったら続けなくても良い)
  • 社会や人のためになる活動

ボランティアで集まる人々はみなそれぞれ違った考えを持ち、自分たちのやりたい活動があります。

利益という目標に向かって、リーダーの元で一つにまとまる企業と毛色が違います。

ワル鳥

「利益」という目的に向かって活動するのが企業。
「社会貢献」という目標に向かって活動するのがボランティアです。

リーダーシップがボランティアでバレる理由

リーダーシップがある人はボランティア活動の中でわかってしまいます。

何故ならリーダシップがない人がボランティア活動を成功に導くことは不可能だからです。

ボランティアと企業の違い-目的

ボランティアの参加者は企業と違い、「目的」が多岐にわたるため、活動如何によってはやる気がない参加者もいます。

リーダシップを発揮できないリーダーは目的・動機が異なるメンバーをまとめることができず、活動を失敗させます。

多くのリーダー達は「声を大きくして、メンバーを引っ張ること」がリーダーに求められていると勘違いしているからです。

企業のリーダーシップでは「立場の後ろ盾」でメンバーを動かせます。

しかし、「声が大きい」だけのリーダーシップで「立場の後ろ盾」のないボランティア活動を成功させることが出来ないのは明白です。

メンバーのモチベーションを保ち、能力を発揮させられるリーダーでなければメンバー達は直ぐに嫌気がさして活動から去ってしまうでしょう。

リーダーシップとは

リーダシップとは何か。

以下に引用するドラッカーの言葉は、ボランティアの世界でも有効なリーダーシップの考え方です。

リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である

プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

ボランティア活動は各人の「思い」が先行しがちな活動です。

リーダーにはボランティアメンバー達の考えをくみ取り、目に見える形で目標にするリーダーシップが求められます。

リーダーシップをボランティアで発揮!!「ファシリテーション」

ビジネス。仕事中。勉強中

近年、加速化する状況の変化に対応できるリーダーの資質として「ファシリテーション能力」が注目されています。

ファシリテーション能力とはこれまで必要とされてきたリーダー能力とは違い、組織に所属するメンバー達のパフォーマンスを最大限に発揮させることを目的とします。

解説「ファシリテーション」とは

ファシリテーション(facilitation)とは

「集団による知的相互作用を促進する働き」

著:堀公俊ファシリテーション入門(日経文庫)

メンバー達の協働を促進し、流動性の高く保つことで、常に変化し続ける社会へ対応できる組織作りをファシリテーション型のリーダーシップではデザインします。

ファシリテーション能力と今までのリーダーシップの違い

リーダーシップとはこれまでヒエラルキー型が一般的でした。

トップダウンを主とするヒエラルキー型のリーダーシップとは違い、ファシリテーション型ではネットワークのようにメンバー達を相互作用させます。

ヒエラルキー型とファシリテーション型のリーダー
ヒエラルキー(従来)とファシリテーションのリーダーシップのイメージ図

現代の企業では多様な人材を集めようと奮闘している企業が多数存在します。

そういったメンバーを活用するならば、これまでと違うリーダーシップを発揮させる必要があります。

多様な人材が集まるボランティア活動でこそ、ファシリテーション的リーダーシップが輝きます。

ボランティア活動はこれからの現代に合わせたリーダーシップを発揮したい人達への格好の訓練の場ともなるのです。

リーダーシップを発揮するファシリテーションのテクニック

ファシリテーションではリーダーシップのスキルとして「コミュニケーション」と「思考」のスキルに大別されます。

ファシリテーションでは4つのスキルが必要です。

  1. 場のデザインのスキル
  2. 対人関係のスキル
  3. 構造化のスキル
  4. 合意形成のスキル

以上4つの基本スキルを使いこなすことでファシリテーション的リーダーシップを発揮できます。

リーダーシップを発揮するファシリテーションのテクニック①

リーダーシップを発揮するためのファシリテーション能力として「場のデザイン」が求められます。

  • チーム設計
  • プロセス設計
  • アイスブレイク

①場のデザインのスキル

リーダーシップを発揮するためには、どういった目的でどういった人を集め、どう議論を進めるかを決めることが必要です。

例えば、ボランティア活動では活動の「目的」に人が集まります。

リーダーはどう議論を進めるかをデザインしなくてはいけません。

リーダーシップを発揮するファシリテーションのテクニック②

リーダーはメンバー達からの自由な思い、あらゆる仮説を引き出し、相互理解を深めなければいけません。

リーダーシップを発揮するためには以下の「対人関係のスキル」が必要です。

  • 傾聴と質問
  • 非言語メッセージ
  • 非攻撃的自己主張

②対人関係のスキル

リーダー達がメンバーの思いをどれだけくみ取れるかがリーダーシップを発揮するキモです。

「立場の後ろ盾」に頼ったリーダーは大抵ここで躓きます。

メンバーがリーダーの顔色を窺うのでなく、リーダーがメンバーの顔色を窺う必要があるためです。

リーダーシップを発揮するファシリテーションのテクニック③

グループの中で意見が出れば、「構造化」することがリーダーに求められます。

  • 論理コミュニケーション
  • ファシリテーション・グラフィック
  • フレームワーク

③構造化のスキル

リーダーシップを発揮し、論理的に議論をかみ合わせ、問題の全体像を導き出しましょう。

構造化スキルでは「ファシリテーション・グラフィック」等、図解を用いたツールを使います。

ホワイトボードによる「議論の見える化」は「ファシリテーション・グラフィック」の一例です。

リーダーはこれらツールの使い方を熟知すると良いでしょう。

リーダーシップを発揮するファシリテーションのテクニック④

議論が深まってくれば、結論へと収束させることがリーダーに求められます。

確固としたリーダーシップを持たないリーダーはここで躓き、楽なほうへと逃げがちです。

「合意形成のスキル」を用いて、リーダーシップをグループ内で発揮することが必要です。

  • 意思決定手法
  • コンフリクト・マネジメント
  • フィードバック

④合意形成のスキル

合意形成の段階では、コンセンサス(合意)を得るためにメンバー達の意見をまとめます。

ファシリテーションでは最も重要な段階であり、リーダーシップのスキルが最も必要な段階です。

ボランティア活動で、リーダーが合意形成を軽視するとメンバーのモチベーションは低下し、活動結果へ影響します。

ボランティア活動のリーダーはそうした事態を防がなくてはなりません。

意見の対立をまとめるにはファシリテーションのリーダーシップをいかに発揮できるかが問われます。

リーダーシップをボランティアで成長させる!!ノウハウ本5選

ファシリテーションはこれまでのリーダーシップとは違い、場の構築から話し合いを含めた活動過程を様々なツールを活用し、メンバー達の能力を最大限に発揮させなくてはいけません。

そのため、多岐にわたる分野のスキルを発揮することがリーダーに求められます。

ボランティアでリーダーシップを成長させたいのなら是非一読すべき書籍をご用意しました。

ファシリテーション入門 (日経文庫) 

リーダーシップ・ファシリテーションが分かる入門本として

著:堀 公俊「ファシリテーション入門」は最初の一冊としてお勧めです。

ファシリテーションというリーダーシップのあり方からテクニックに至るまで網羅的に知ることが出来ます。

ザ・ファシリテーター (ダイヤモンド社)

「ファシリテーションなんてやったことがない」なんて人にお勧めなのがこちら。

著:森 時彦「ザ・ファシリテーター」 です。

未熟なファシリテーターから熟練のファシリテーターへとステップアップする様を描いた一冊。

ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ(岩波書店)

「ファシリテーションって実際どうすればいいのか分からない」「ファシリテーションがどう働くのか実例が知りたい」と考える人にお勧めの一冊がこちら。

「ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ」です。

企業や地域、NGO等の現場でファシリテーションを活用した事例が載っています。

ファシリテーターの道具箱(ダイヤモンド社)

ファシリテーションでリーダーに求められる技術を知りたい方にはこちら。

著:森 時彦「ファシリテーターの道具箱」がお勧めです。

ファシリテーション的リーダーシップは技術がなければ、混沌とした場を生み出すだけです。

ファシリテーション的リーダーシップを発揮するうえで大切な技術を教えてくれる一冊です。

途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法

ファシリテーションでは対話スキルも重要です。

それもただの対話ではありません。

「意見を引き出す」対話が必要になります。

もっとクリティカルな意見を引き出したいと考えるリーダーには

「途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法」をお勧めします。

メタファシリテーションと呼ばれる「本音」を聞く技術について書かれた一冊です。

著者らは国際援助を行う上で、培った対話術をまとめたものです。

「事実質問」をはじめとする対話技術は「人」を相手にする職業全てで役立つこと請け合いです。

【まとめ】あなたのリーダーシップがボランティアでバレるたった1つの理由

リーダーシップはボランティア活動で発揮されることが理解していただけたでしょうか?

色んな人たちが集まるボランティアではみんなが「同じ立場」です。

リーダーシップを発揮できる人物がいるボランティア活動は「大規模」に成長できます。

リーダーシップを発揮ない人物のボランティア活動は「小規模」で終わります。

ボランティアでの活躍を見れば、その人の能力も見えてしまいます。

ボランティア活動は想像以上に大変です。努力すれば自身の成長が実感できる絶好のチャンスなのです。

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