ペルーの首都リマでバスに乗るためのガイドブック
日本人に人気の観光地な南米の国ペルーの首都リマのバスにはたくさんの路線があります。初見で行きたい場所に行くことはほとんど不可能でしょう。
東京と違い、リマには電車が走っておらず、市民の足はバスとタクシーのどちらかです。リマも非常に大きな街であり、移動手段としてバスの利用が欠かせません。
そんなリマには、市営や民営の路線バスが縦横無尽に走っています。台数も多く、1つのバス停に複数のバスが止まろうとして渋滞が発生するほどです。
あまりにも路線が多すぎるためか、リマで生活している現地の人ですら、路線が多すぎて分からないというほど、たくさんのバスが走っています。
そんな事情もあり、観光客が移動手段としてバスを利用するのは至難の業となっています。
今回の記事では、そんな初心者の人でもバスの乗り方がわかるように、リマのバスの乗り方をまとめました。
路線の見方から、バスの料金の支払い方まで、リマでバスを利用するために必要な情報を紹介します。
リマのバス路線の見方
リマのバスには公式に発表された路線表が存在しません(もしくは、探しても出てこない)。非常に厄介ですが、インターネット検索でリマのバスルートを見ることは非常に困難です。
そのため、リマでバスに乗るためにはGoogle Mapsや行先案内アプリの力を借りる必要があります。
リマでメジャーな行先案内アプリは2つあります。
- Moovit
- TuRuTa
上記2つの行先案内アプリはGoogle Mapsより登録されているリマのバス路線が多いため、より詳細なバスルートが分かります。
リマのバス停「パラデロ」
リマではバスがとまるバス停を「パラデロ」と呼びます。パラデロは公営バスのバス停ですが、民営バスもパラデロに停車します。パラデロには、標識がありバスのルート番号が記載されていますので、どのルート行きのバスがとまるのかが、判別できるようになっています。
ただ、時刻表の記載はないため、何時頃バスがやってくるかは分かりません。リマのバスを利用する場合は、時間に余裕を持って利用することが大切になってきます。
リマのバスの料金形態
リマのバスの料金形態は以下の2種類に分かれています。
- 専用のプリペイドカード
- 現金
リマの公営バスはプリペイドカードでの支払いのみ受け付けています。民間のバスは現金での支払いが基本です。
リマの公営バスは、搭乗口に支払いのためのタッチパネルと、無賃乗車を防ぐためのゲートが搭載されています。そのため、プリペイドカードを持っていない人は基本的には公営バスに乗れません。
ただ、プリペイドカードに現金が入っていない、もしくはカードを持っていない場合も、バスに乗るための裏技があります。
それは、カードを持っている人にお金を渡して、代わりにタッチしてもらうというモノです。リマの公営バスでは、カードの貸し借りが日常的に行われており、バスに乗っている人や搭乗口付近にいる人へお金を渡して、乗せてもらうことが可能です。
また、メトロポリターノ以外のバスであれば、ドライバーにお金を渡して乗ることも可能なようです。
リマのバスの種類
リマのバスは厄介なことに複数の種別に分類できます。
- メトロポリターノ(公営バス)
- 公営バス
- エクスプレソ
- 民営バス
この種別は路線と、料金の支払い方法によってざっくりと分けたものです。この記事では、それぞれのバスについても簡単に解説します。
リマでもっとも乗りやすいバス「メトロポリターノ」
リマのバスで一番乗りやすいのが、このメトロポリターノです。メトロポリターノは、公営バスの部類に入ります。メトロポリターノの路線はリマを南北に縦断する幹線道路へと沿った形で整備されています。
リマのメトロポリターノは日本の電車のように乗り降りのための駅があり、路線図も整備されています。バスのルートも直線のルートが一本だけなので、迷うことがありません。電車のように特急や普通バスの違いがあるので、そこだけ注意すれば大丈夫です。
リマの主要な観光地の旧市街地や新市街地へのアクセスが良いので、観光客が利用しやすい移動手段としておススメです。しかし、乗るためには専用のプリペイドカードが必要なため、バスの駅で購入するか、カードを持っている人に現金を渡して、カードを借りる必要があります。しかし、他のバスと比べても圧倒的に路線が分かりやすいので、タクシーを利用しない場合はメトロポリターノを利用することになります。
乗り方はメトロポリターノ駅の搭乗ゲートのパネルにカードをタッチして入場。階段を降りた先にあるゲートの前に並んで、バスを待ちます。バスについてのアナウンスはありませんので、バスの正面もしくは側面の電光掲示板に表示されているナンバーを見て、目的地にとまるバスかどうかを判別する必要があります。
料金は3.2ソル(2023年2月時点)です。
リマの一般車道を走る公営バス
リマを縦横無尽に走るバスには公営のバスと民営のバスの2種類があります。公営バスは、パラデロ(リマのバス停)に停車しますので、パラデロと書かれた標識の側で待っていれば、その内バスがやってきます。
路線はGoogleマップもしくは上にあげた行先案内アプリで確認できます。公式から路線情報が取得しにくい点は日本では考えられませんが、ペルーだからということで諦めてください。
バスごとの行先はバス正面の電光掲示板にルート番号が記載されており、それを確認して目的地に行くバスを識別します。
乗り方は、パラデロに立った状態で、やってきたバスに手を挙げて「乗ります」とアピールすることで停車してくれます。偶に乗車人数が多すぎると止まってくれないことがありますので、その時は次のバスを根気よく待ちましょう。
バスを降りる時は、バスのパラデロへ着く前に席から立ち上がって「降りること」を運転手にアピールします。バスの後ろの降り口、人が多くて後ろにいけない時は前の搭乗口に立っていると運転手がとまってくれるので、そのままバスから下りれば大丈夫です。
バス料金は、距離に寄りますが、2ソルからとなります。
リマで乗れると嬉しいバス「エクスプレソ」
エクスプレソは、リマの一部の地域だけで走っている電気で動いているバスです。緑色で、側面に「Expresso」と記載がされているバスです。
電気自動車なだけあり、パラデロにはバスの現在地と到着時間がわかるようになっているモニターが設置されている場合があります。モニターが設置されていなくてもパラデロの標識に記載されているQRコードはバスの現在位置がリアルタイムで表示されているウェブサイトへ飛ぶことができます。バスの停車位置も確認できるため、リマのバスの中でもメトロポリターノと同じぐらい使いやすいバスです。
ただし、エクスプレソは走っている地域も少なく本数も限定的なので、利用には注意が必要です。
料金はなんと無料で乗れます(2023年2月時点)。
民営バスはリマでもっとも複雑で種類が多い
リマの街中を走る民営バスは、リマ初心者にとって恐怖の対象と言えます。その非常に複雑で膨大なバスのルートは、調べることも困難です。
上に挙げた行先案内アプリでルートを確認することが可能ですが、バスのサイズも乗り方、降り方も複雑なので観光客の移動手段としてはおススメしません。
民営バスは、バスの大きさによってミクロ(日本と同じバス)、コンビ(大型バン)、コレクティボ(コンビより小さい車)と分かれます。
どれも一緒なようで、少しずつ乗り方が変わるので注意が必要です。
民営バスでは、運転手だけでなく、乗車料金を徴収するコブラドールと呼ばれる人が乗っており、その人たちに料金を支払います。ただ、バスによっては徴収人が乗っていなかったりするので、注意が必要です。
ミクロでは、バスの搭乗時に行先を運転手もしくは徴収人(コブラドール)に行先を告げて料金を支払う必要があります。大抵、バスの後ろには車が渋滞しているので、運転手は直ぐにバスを発車しようとするため、乗る前から小銭を準備しておくことをおススメします。
ミクロから降りる時は、公営バスの時と同様に目的地へ着く前に降車することをアピールして停車してもらう必要があります。
ただし、「バハ(Baja。スペイン語で「降ります」の意)」と言わないと止まってくれなかったりする場合があります。ややこしいですが、必要なのは「降りたい」と運転手にアピールすることです。
料金の徴収人が居ないことも多いので、その場合はバスの運転手に支払う必要があります。
コンビやコレクティボではバスへ搭乗後、徴収人に行先を告げて料金を支払います。
この場合は、降りる時に「バハ」といえば、停車してくれます。公営バスのパラデロにも止まりますが、パラデロがないただの道路でも止まってくれます。(なんなら、乗るときも手を挙げて乗りたいアピールをすれば乗せてくれたりする)
民営バスの料金は、距離によって変化しますが、徴収人によって多少値段がぶれるので、毎回料金を確認する必要があります。
これは、リマだけでなく地方都市でも同様です。(地方は民営バスしかない場合があるので、もっと複雑)
民営バスには分かりやすいパラデロはありませんが、人が集まりやすい場所(調べてもよくわからないが、人がいっぱい集まるパラデロがある)に行くと、バスの時間管理をする人がいるため、その人に目的地を告げるとどのルートに乗ればいいのか教えてくれます。
リマはまるで先進国にような大都市ですが、バスの乗り方はかなりアナログな面があるので、乗る時は気を付ける必要があります。
リマでバスに乗るためのガイドまとめ
リマのバス事情は公営であれば、それなりに整備されていますが、民営バスは複雑怪奇で分かりにくく一見さんお断りの状態です。
観光客としてリマに来るのであれば、大人しくタクシーを使う方がよいですが、リマのローカルな雰囲気を感じられるのはバスだけです。値段もバスの方が断然安いため、少しでも節約して観光したい人にとってはバスの利用も選択肢に登ります。
ただ、南米の常としてスリや強盗が多くバスの中でも気を抜くことはできません。リマでのバス移動は非常にエネルギーを使いますが、慣れてしまうとバスの乗り継ぎだけでリマ中を移動することも可能です。
もし、リマ観光をするときには、バスでの観光も検討してみてはいかが?