世界が認めたスパゲッティの折り方
夕飯は何にしようかしら。
ああ、時間がないから素パスタにしましょう。
そういって一人暮らしの時は素パスタを何度か作った記憶があります。
小さい鍋しか持っていなくて仕方がないからスパゲッティを半分に折ったのですが、綺麗に半分にならず欠片がそこらに散らばって面倒な思いをしたことがありました。
ノーベル賞受賞経歴を持つ高名な物理学者ファインマン先生もこの問題に2時間も取り組んだそうですが、結局原理を解き明かすことなくこの世を去ったようです。
そうして生まれた平成(?)の最終定理ことスパゲッティ問題ですが、2005年にバジル・オリ、セバスチャン・ノイキルヒの両名によって、その原理を解明されました。
両者はこの研究により、栄えある賞であるイグノーベル賞(ファインマンさんは受賞したことはないし、歓迎もしなかっただろう)を受賞されたのです。
因みにイグノーベル賞には日本人の受賞はほぼ毎年のごとくノミネートされています。
受賞した研究をまとめて紹介している書籍もありますので是非読んでみてください。
上の書籍はイグノーベル賞がどのような賞なのか端的に教えてくれるおすすめの本です。
話を戻して
スパゲッティ問題は彼ら2人の活躍によって証明されたと考えられていましたが、実はそうではありませんでした。
平成の最終定理には続きがあったのです。
それをMITの研究グループが2人のイグノーベル賞受賞から13年越しの今、完成させたのです。
全ての元凶
ファインマン先生は悩んでいました。
「何故、スパゲッティの乾麺は曲げると3本に折れるのか」
彼は一本の乾麺を曲げていくと2本ではなく3本以上に折れてしまうことに頭を悩ませていました。
水中で折ってみるなどして、2時間ほど頭を悩ませていましたが終ぞ分からずファインマン先生はこの世を去ってしまいました。
ファインマン先生の心残りは2005年になるまで分からずじまいだったのです。
そして分かった驚愕の秘密
ファインマン先生はこの世を去りましたが、謎は去りません。
そんな折にスパゲッティ問題界隈に転機が訪れました。
バジル・オリ、セバスチャン・ノイキルヒの二人はスパゲッティの一端を装置に固定化して、力を加えて折る実験を行うことでその秘密を解き明かそうとしたのです。
すると彼らの研究によって、驚くべきことにスパゲッティが折れる現象にはいくつか段階を踏んで折れることが分かったのです。
スパゲッティに力を加え続け、しなればたわみます。たわみが大きくなり続ければスパゲッティは当然折れます。
この時は普通に二つへ折れるだけなのですが、折れた反動によってスパゲッティの乾麺は振動するのです。
この時に生まれた振動がスパゲッティを固定した部分まで到達して跳ね返ります。
波の反響によって一時的に振動が大きくなり、乾麺がさらに折れるのです。
この研究によってファインマン先生最後の心残りが消えたと思われていましたが、そうはいきません。
最後の研究が発表されるまでしばしの間がありました。
真っ二つに折る方法が見つかる
そして、2018年。米マサチューセッツ工科大学の研究チームがこのスパゲッティの乾麺を2つに折る方法を見つけたと発表しました。
この理論によると乾麺をひねることで二つに折ることが可能としています。
乾麺の長さに依存しますが、270度を超えるひねりを加えることで綺麗に二つ折りにすることが可能だそうです。
彼らはスパゲッティにひねりを加える専用の装置を用意し、高感度カメラを用いて350を超えるスパゲッティを折った末に導き出したというわけですから壮絶の一言です。
科学者と言う人たちは身近な疑問を解消するためにも徹底していることが分かりますね。
私には難しいことは分かりませんが、ただ一つ言えることがあります。
今年のイグ・ノーベル賞受賞者はこれで決まったな!!