ストローが海洋汚染の敵なのか?

2018年10月15日コラム

straws

こんにちは、ワル鳥です。

以前、このような記事を書きました。

この記事を書いた後にも様々なニュースでプラスチック製のストローを廃止する動きが報道されてきたのを見ました。

ただ、プラスチックによる海洋汚染を考える上ではストロー問題は良いと思うのですが、ストローを廃止することに重きを置きすぎて、本来の「海洋汚染を食い止める」ことから少しずれてきているのではないかと思うのです。

そこで調べてみたところ、いくつか目に留まったものがあったので私見と共に書いてみたいと思います。

広告

ストロー廃止運動はどこから始まったのか?

まず、ここから焦点とするべきでしょう

そもそものストロー廃止運動の起こりは鼻にストローが刺さったウミガメの動画がネット上で注目を浴びたからでした。

海には大量のゴミが存在することは以前より知られていましたが、プラスチックを減らそうという運動こそ起こりましたが、廃止論が取られるほどの大きな運動はほとんどありませんでした。

この動画が話題になったことからストローを廃止しよう、と始まったのが切っ掛けのようです。

そして、最近話題になっているスターバックスやマクドナルドなどのストロー廃止に繋がっています。

ストローは悪者なのか?

では、プラスチックのストローを廃止すれば本当に海洋汚染を食い止めることが出来るのか?

そうではないでしょう。

前回の記事では和歌山県にあるラピュタの島のゴミ問題について述べました。

こちらで参考とした環境省の漂着ゴミデータによると

海洋ゴミ種類

http://www.env.go.jp/press/files/jp/108078.pdfより

漁具やペットボトルなどがその多くを占めていることも分かります。

また、プラスチックを完全に廃止すると逆に廃棄物量が増えるとする見方もあります。

プラスチックは成形のしやすさもあり、低コストで大量に作ることができることから代替品を用意するよりもエネルギーが節約できるといった考えです。

研究者の間では飲料の容器、レジ袋、ふた等のカテゴリーにおいてプラスチックは廃棄物量を増やすのではなくむしろ減らしているとしています。

確かに今使われているプラスチックの包装やコップ、ケースなどをすべて木や金属で作ろうとすれば莫大なコストがかかることは明白です。

今や、人類社会はプラスチックの存在なしには成り立たないことが浮き彫りになったと言えるでしょう。

必要なのは、何が一番コストがかからないのか、です。

作るときにプラスチックよりもコスト(機械を動かすときに必要なエネルギーも忘れてはいけません)がかからないものが生まれない限り、プラスチックの代わりを務めることは困難でしょう。

それは生分解性プラスチックでも同じです。

自然分解するために廃棄しやすいことが生分解性プラスチックの強みですが、生産する時に普通のプラスチックよりコストが掛かれば意味は無くなります。

生産すればするほど普通のプラスチックよりも環境を汚染していた、なんてことにも繋がりかねません。

生産・廃棄にかかる手間が掛からない。そんな物質を見つける必要があるのです。

ストローを必要とする人たち

また、以前ストロー自体を使わなければよいと私は言いましたが、それは大きな驕りに繋がっていたようです。

ストローを必要としている人達は確かに存在していました。

そして、彼らにはプラスチックのストローが必要なのです。

残念ながら紙製のストローは耐久性に乏しく、コストもかかることは事実です。

私が今住んでいるニュージーランドでも紙製のストローは使われていますが、確かにだ液がつくだけでもふやけていきました。

耐久性と適度な柔軟性を併せ持つプラスチックがいかに便利なものなのかが分かりますね。

スターバックスはストローを必要としない飲み口のついたカップを採用しています。

ですが、特に腕が思うように動かせない障害を持つ人にはカップを持って飲むことが出来ないため致命的な問題となるでしょう。

誰かが飲ませるわけにもいきません(誰かに飲まされる飲み物ほど零れやすいものはありません)。

では、環境保護のために彼らには犠牲になってもらえばよいのでしょうか?

それはあまりにもマイノリティに対する考え方が杜撰だと言わざるを得ません。

私たちはこうした人たちが一定数存在していることを忘れてはいけないのです。

こうした問題を解決するためには新たな発想の転換が必要になるでしょう。

私としては、いっそストローも用意したうえで「マイカップを持ってくれば少し値引きするよ!!」としたら良いんじゃないかと思うんですけどね。

そもそも、ドリンク系って原価が安いので出来ると思うのですよ。

10円値引きしますってだけでも効果が出るんじゃないかなって思うのですが、どうなんでしょ。

まぁ、生分解性プラスチックの性能が上がれば一発解決だと思うんですけどね。

もしくはユニバーサルデザインで誰にでも使える凄いカップが生まれたら、とか思っちゃいますね。

まだまだ、デザインの分野からでも突きつめられそう。

ワル鳥の最新記事はこちらから

lima-bus

: 青年海外協力隊

ペルーの首都リマでバスに乗るためのガイドブック

日本人に人気の観光地な南米の国ペルーの首都リマのバスにはたくさんの路線があります ...
podcastdejica

: 青年海外協力隊

青年海外協力隊がもっとわかるポッドキャスト始めました。

青年海外協力隊がもっとわかるポッドキャスト始めました。 これまで、ブログを書いて ...

広告

最新情報をいつでもお届け!!   \フォローよろしくね/